Stars and Stripes Forever
星条旗よ永遠なれ

世界の行進曲・愛国歌/アメリカ合衆国

『星条旗よ永遠なれ Stars and Stripes Forever』は、アメリカのマーチ王スーザ(John Philip Sousa/1854-1932)が1896年に作曲した行進曲。

<上写真:2009年のオバマ大統領就任式で掲げられる星条旗>

スーザを代表する作品として人気が高く、1987年にアメリカ公式の行進曲(National March)に認定された。

アメリカ大統領が公共の場やイベント、セレモニー等でスピーチを行う際、演壇に向かう際に『Hail to the Chief 大統領万歳』が流れるが、スピーチ終了後の退場時には、この『Stars and Stripes Forever』が流れることが多い。

なお、アメリカ国歌『星条旗 The Star-Spangled Banner』とタイトルが似通っているため、両曲名が混同して用いられる場合があるが、言うまでもなく両曲は別の楽曲である。

世界三大行進曲として

ドイツの『旧友 Alte Kameraden』(カール・タイケ作曲)、日本の『軍艦行進曲』と合わせて、「世界三大行進曲」と称賛されることがある。

ちなみに、『軍艦行進曲』の作曲者である古関 裕而(こせき ゆうじ/1909-1989)はスーザ(右写真)と同様に数多くの行進曲・軍歌を手掛けており、「日本のスーザ」、「和製スーザ」との異名を持つ。代表作は、『栄冠は君に輝く』、『阪神タイガースの歌(六甲おろし)』、『若鷲の歌』など。

吹奏楽や運動会の定番曲

日本では、学校の吹奏楽部における定番の演目・レパートリーとして定着しているほか、運動会の入場行進曲としても使用される機会が多いようだ。この曲を聴くと、学生時代の光景が懐かしく思い出される人も少なくないだろう。

なお、その他の有名な吹奏楽曲については、こちらの特集ページ「有名な吹奏楽曲・定番のブラバン器楽曲」を、運動会でよく使われる有名なクラシック音楽については、こちらの特集「運動会・体育祭で使われるクラシック音楽・BGM」を適宜参照されたい。

ピッコロの軽快なオブリガートに注目

『星条旗よ永遠なれ』の演奏では、ピッコロ(piccolo)奏者による軽快なオブリガート(助奏)が主旋律を引き立て華を添える。学校の吹奏楽などでピッコロを演奏する学生らにとっては、その存在と技量を存分にアピールできる絶好の機会となる楽曲の一つだろう。

ピッコロが印象的に用いられる有名な楽曲と言えば、チャイコフスキー作曲のパレエ組曲『くるみ割り人形』より「中国の踊り」、ベートーヴェン交響曲第9番第4楽章、ショスタコーヴィチ交響曲第9番第1楽章などがある。

【視聴】星条旗よ永遠なれ Stars and Stripes Forever

ホロヴィッツ編曲によるピアノ難曲

ウクライナ出身でアメリカに帰化(1944年に市民権を獲得)したピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Samoilovich Horowitz/1903-1989)(右写真)は、アメリカ愛国歌『Stars and Stripes Forever』をピアノソロ向けに編曲している。

ホロヴィッツ編曲による同曲は「ピアノの難曲」として知られ、ピッコロによるオブリガートをはじめ吹奏楽団の多彩な楽器のフレーズがアクロバティックなピアノで再現されている。生半可な技術でこれを弾きこなすことは至難の業であり、高い技術を持った奏者による演奏は、まるでピアノ連弾を聴いているかのような錯覚すら起こさせる。

ホロヴィッツのコンサートではアンコール曲としてよく取り上げられ、作曲者自身による自演CDもリリースされている。ホロヴィッツ版の楽譜については、遺族の意向により正式な楽譜は出版されていないようだ。

YouTubeでは、超絶技巧で知られるロシアのピアニスト、アルカーディ・ヴォロドス(Arcadi Volodos)が演奏するホロヴィッツ編曲『Stars and Stripes Forever』の動画がアップされている。

【視聴】ヴォロドス演奏 ホロヴィッツ編曲版

【視聴】ホロヴィッツ自演 編曲版

ホロヴィッツ版が収録されたアルバム

世紀の名演奏家 ホロヴィッツ
20世紀の巨匠の演奏を、最新リマスターで集成したシリーズ。天才の名を欲しいままにしたホロヴィッツの全貌が知れるアルバム(2枚組)。
アンコール ホロヴィッツ
偉大なピアニスト、ホロヴィッツのアンコール・ピースともいえる18曲を収録。試聴あり。

関連ページ

ワシントン・ポスト The Washington Post
スーザ作曲の行進曲。アメリカの新聞「ワシントン・ポスト」のオーナーが、同紙のコンテストの表彰式で使う行進曲の作曲をスーザに依頼した
雷神 The Thunderer
1889年作曲のスーザによる行進曲。ABCニュースの選挙関連番組テーマソングだった。
自由の鐘 Liverty Bell
1893年作曲のスーザによる行進曲。イギリスのコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン Monty Python's Flying Circus」オープニングテーマ曲。