アメリカ野砲隊マーチ
The U.S. Field Artillery March

アメリカの行進曲・愛国歌

『アメリカ野砲隊マーチ』(The U.S. Field Artillery March)は、ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa/1854-1932)が1917年に作曲したアメリカの行進曲

作曲に際し、アメリカ陸軍第306野戦砲兵隊のフリードランダー大尉の提案により、既存の曲『弾薬車の歌 The Caisson Song』が曲中に組み込まれた。

『弾薬車の歌』は19世紀アメリカ南北戦争時代の古い曲として楽曲の中間部(トリオ)に使用されたが、実際にはグルーバー陸軍中尉(Edmund L. Gruber)が1908年に作曲した行進曲であることが後に判明している。

確かに、同曲はアメリカ民謡『黄色いリボン』と曲調が似ており、古い時代の楽曲と誤解されるのも無理はないように思われる。

なお、グルーバー『弾薬車の歌』は1956年に新たな歌詞がつけられ、アメリカ陸軍軍歌『陸軍は進んで行く』(The Army Goes Rolling Along)として現在まで使用されている。

ちなみに、冒頭の歌詞「Over hill, over dale」のフレーズは、シェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」第2幕の台詞から引用されている。

上写真:M777 155mm 超軽量野戦榴弾砲

動画の視聴

写真:歌詞にも登場する砲弾車(ケーソン)(by Historical Ordnance Works)

歌詞の一例・日本語訳(意訳)

Over hill, over dale,
We will hit the dusty trail,
And those Caissons go rolling along.

丘を越え 谷を渡り
我らは砂埃の道を行く
砲弾車と共に

Up and down, in and out,
Counter march! Right about!
And those Caissons go rolling along,

昇りに降り 内に外に
反転行進! 回れ右!
砲弾車と共に

Then it's high high hee,
In the Field Artillery,
Shout out your numbers loud and strong,

意気揚々と野砲隊
大きく強く番号を叫べ

For wher-e’er we go,
You will always know,
That those Caissons go rolling along.

どこへ行こうと 我らが分かる
砲弾車と共に

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