海軍小唄(ズンドコ節)

日本の軍歌・流行歌

「汽車の窓から手をにぎり」の歌い出しで知られる『海軍小唄(ズンドコ節)』は、作詞・作曲者不詳の日本の軍歌・流行歌。福岡の学生を作曲者に挙げる説もあるようだが詳細は不明。

親しみやすいメロディで替え歌もしやすく作曲者も分からない。となれば、後世の音楽家たちがこれを放っておくはずはない。『海軍小唄(ズンドコ節)』は終戦直後から平成の現代まで、様々なメディアやジャンルで替え歌・カバーが生み出されている(後述)。

写真:海上自衛隊が運用する「たかなみ型護衛艦」

動画の視聴・歌詞

歌詞の一例

汽車の窓から手をにぎり
送ってくれた人よりも
ホームの陰で泣いていた
可愛いあの娘(こ)が忘られぬ
トコズンドコ ズンドコ

花は桜木人は武士
語ってくれた人よりも
港のすみで泣いていた
可愛いあの娘が目に浮かぶ
トコズンドコ ズンドコ

元気でいるかと言う便り
送ってくれた人よりも
涙のにじむ筆のあと
いとしいあの娘が忘られぬ
トコズンドコ ズンドコ

替え歌・カバー

終戦直後から様々なアーティストがカバーした『海軍小唄(ズンドコ節)』。主な楽曲について時系列にまとめてみた。

1947年に田端義夫のギター演奏で『ズンドコ節(街の伊達男)』としてカバーされヒットすると、1960年に小林旭が映画挿入歌として『アキラのズンドコ節』をリリース。

1969年にはザ・ドリフターズによって『ドリフのズンドコ節』としてカバーされ、100万枚を越える大ヒットを記録した。ちなみにドリフはオリジナル版の『海軍小唄』も歌っており、に収録されている。

1986年には、テレビドラマ『ザ・ハングマンV』のエンディングテーマとして、男性路上パフォーマンス集団の「劇男零心会(げきだんれいしんかい)」がカバー。零心会は後の「一世風靡セピア」のルーツ。

2002年には、演歌歌手の氷川きよしが『きよしのズンドコ節』をリリース。2008年の第59回NHK紅白歌合戦では大トリの曲として歌われた。夏祭りの盆踊りの曲としても使われているという。

その他、アニメ「ドラえもん」の「たけしのズンドコ誕生日」(2005年版626話)や「スイートプリキュア♪」の「世界は悲しみのズンドコになるニャ。」のくだり、テレビCMでは「高橋酒造」やサントリー「BOSS」、大東建託「いい部屋ネット」CMソングなど、『ズンドコ節』は今後も様々な形で愛唱され続けていくことだろう。

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