My Country, 'Tis of Thee
マイ・カントリー ティス・オブ・ジー

アメリカ愛国歌/メロディはイギリス国歌

『My Country, 'Tis of Thee』は、イギリス国歌のメロディに合わせて歌われるアメリカ愛国歌。『America』と題される場合もある。

現在のアメリカ国歌『星条旗』が1931年に正式な国歌として法制化されるまでは、事実上の国歌として位置付けられていた。

歌詞が誕生したのは1831年。『星条旗』の歌詞が誕生したのは1814年の米英戦争の頃だが、それから十数年後に作詞されたことになる。初演は1831年の7月4日(アメリカ独立記念日)。ボストンのパークストリート教会で披露され、翌年に出版された。

別の歌詞がつけられたイギリス国歌

実はこれ以前にも、イギリス国歌のメロディに別の歌詞がつけられて歌われるケースがいくつか見られ、その代表的な例としては、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントン(George Washington/1732-1799)の大統領就任式(1789年)で、次のような歌詞で歌われている。

Hail, thou auspicious day!
For let America
Thy praise resound.
Joy to our native land!
Let every heart expand,
For Washington's at hand,
With glory crowned.

万歳!この良き日に!
アメリカへの賞賛よ、響き渡れ
我らの大地に喜びあれ!
皆の胸は高鳴る
栄誉を戴いたワシントンに

著名なパフォーマンスとしては、1939年にマリアン・アンダーソン(Marian Anderson/1897–1993)がリンカーン記念堂で同曲を披露したほか、同じくリンカーン記念館でキング牧師が1963年に行った演説「I Have A Dream」の中で歌詞が引用された。

また、2009年1月20日に行われたバラク・オバマ氏の大統領就任式では、ソウルの女王アレサ・フランクリン(Aretha Franklin/1942-)がこの『My Country, 'Tis of Thee』を熱唱している。

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歌詞・日本語訳

My country, 'tis of thee,
Sweet land of liberty,
Of thee I sing;
Land where my fathers died,
Land of the pilgrims' pride,
From every mountainside
Let freedom ring!

我が祖国 汝の国
愛すべき自由の大地
汝の国 私は歌う
祖先の生きた地
巡礼始祖の誇りの地
すべての山々から
自由よ響き渡れ!

Our fathers' God to Thee,
Author of liberty,
To Thee we sing.
Long may our land be bright,
With freedom's holy light,
Protect us by Thy might,
Great God our King.

我らが祖先の神
自由を生み出した者
汝に我らは歌う
我らの土地が輝かんことを
自由の聖なる光と共に
汝の力で我らを守りたまえ
偉大なる神 我らが王よ